無期雇用派遣という新しい安定な働き方
これまでの派遣社員の働き方を大きく変えた
無期雇用派遣ってご存知ですか?
無期雇用派遣は、2015年に行われた労働派遣法の改訂で作られ、
2018年4月から実際にスタートした新しい働き方です。
正式名称は 常用型派遣 です。
これまで私が働いてきたような、登録型の派遣とは異なります。
この新しい無期雇用派遣はどのような働き方なのか調べてみました。
派遣社員って2種類あった!
10年派遣社員として働いてきたのに派遣社員には2種類あるだなんて知りませんでした。
登録型派遣と常用型派遣。
常用型派遣とは無期雇用派遣の正式名称のことです。
登録型派遣とは
登録型派遣とは、これまで私が働いてきた働き方で、このブログでも
散々情報を書いてきた働き方です。
派遣会社に登録し、派遣先企業が求人する条件に合った働き方をする派遣のことです。
登録型派遣の派遣社員が企業Aと契約し満了した場合、満了時と同時に派遣会社との
雇用契約も終了するため、次の企業Bで就業がスタートするまで給与は発生しません。
同じ派遣会社ですぐに仕事が見つかれば、派遣会社と雇用は継続されますが
同一派遣会社の仕事でのお仕事が次に決まっていなければ、そこでその派遣会社との
雇用契約は終了するのです。
次の仕事が決まらなかった時、健康保険証を返還するのはそのためです。
これは雇用契約が終わったというだけであり、派遣会社への登録は消えていません
ので誤解のないようにしてください。
その他詳細は以下の通りです。
無期雇用派遣(常用型派遣)とは
無期雇用派遣とは、派遣社員は派遣会社と雇用契約を結ぶ働き方です。
派遣社員は派遣会社に雇用されている形になるため、派遣先が決まっていない状態
でも月給制で給与が支払われます。
派遣会社に採用される形になるため、採用選考に応募し選考を通過する必要があります。
企業Aでの就業期間が終了し、次の企業Bで働くまで待機(仕事がない状態)となっても、
派遣会社から月給制で給与が支払われます。
そして賞与も出ます。
無期雇用派遣と正社員の違い
登録型派遣と無期雇用派遣の違いはご理解頂けたと思います。
すっごい簡単に解釈をすると、
派遣社員としてどこかの企業に働いている時だけに
雇用契約が発生するのが登録型派遣。
派遣社員としての仕事がない状態でも雇用契約が発生している
のが無期雇用派遣。
月給制で給与が出て、尚且つ賞与まで出る無期雇用派遣って
正社員雇用と何が違うのでしょう比較したいと思います。
正社員
派遣会社からの紹介であろうと、正社員雇用として採用されれば、
その時点で派遣社員としての立場は終了します。
企業との雇用契約になります。
派遣会社から紹介された企業に正社員として就職が決まった という
までのお話しです。
直雇用ですので、企業の就業規則に従い、企業の勤務条件に沿い、
企業からお給料を支給される形となります。
給与額は勤務先企業が提示する時給を加味して、派遣会社が月収
として提示してくることになります。
健康保険なども企業が一部負担をしてくれることになります。
正社員ですので、勤務期間に制限はありません。
定年まで正社員でいられます。
無期雇用派遣の雇用形態
無期雇用派遣は、派遣会社と雇用契約を結んでいます。
派遣会社との雇用契約で派遣会社から出向していくという
イメージの働き方なので、そこに契約期限は存在しません。
登録型派遣のように満期3年という枠は関係なく働けます。
給与も派遣会社から支給されます。
健康保険は派遣会社が一部負担する形となります。
ただし、これはあくまでも派遣社員と派遣会社の雇用問題であり
勤務先の企業には関係のない話しです。
派遣会社と企業との契約は、登録型派遣であっても無期雇用派遣であっても
同じであり、企業の求める契約満了すれば その企業に出勤することは
なくなります。
仕事内容って、派遣先企業によるますよね。
Aというプロジェクトのお手伝いとして派遣社員を雇用した
となれば、Aというプロジェクトが終了したら派遣契約は満了になります。
別の仕事をお願いされる事はありません。
もし、同一企業であっても、別の仕事をお願いされるようになるなら、
それはまた別の契約となるので、Aプロジェクトに対しての雇用は満了となります。
一方で
通年に渡りAという業務が発生するので そのお手伝いをお願いしたい
という雇用内容であれば仕事としての満了がないので、
登録型派遣であれば、3年で契約満期となり契約満期以上の勤務はありませんが、
無期雇用派遣なら、ずっと同一企業で勤務できます。
これは勤務先企業にとってもメリットです。
3年毎に新しい派遣社員の採用から派遣契約までの手続きを
行わなくて済みますし、何よりもその仕事に対して知識がある人材を
「契約満了」というだけで切らなくて済むからです。
正社員として雇用すると人件費としての企業が負う負担はかなり大きいと言われています。
その部分は派遣会社が引き受けてくれて、尚且つ、仕事の知識がある人材
を手離さなくて済むのですから、企業側としてはとても助かる働き方となります。
これが無期雇用派遣の強みです。
無期雇用派遣の安心ならない注意点
無期雇用派遣という働き方は派遣社員にとって、生活の安定に繋がる事は
ご理解頂けましたでしょうか?
でも、派遣会社の雇用である以上、企業にとっては派遣社員にすぎません。
企業側からいつ契約解除されてもおかしくない立場だということは
忘れてはいけません。
目に余る態度、仕事状況、人間関係など・・・・仕事の妨げになる様な存在
であれば、企業側は派遣契約の解除を命じてくるかもしれません。
正社員ならば簡単に雇用は切れませんので、どんな人材でもある程度多目に
見てくれますが、そこが無期雇用派遣の弱みでもあります。
一般常識の範囲で働けば問題ありませんが、無期雇用派遣であっても
自分の立場を忘れることのないように意識しましょう。
無期雇用派遣のデメリット
これまでの無期雇用派遣の説明で少しは理解ができましたでしょうか?
もちろん、無期雇用派遣にもデメリットがあります。
それは 働き方を選ぶ自由がない ということです。
登録型派遣は、自分の条件を提示し、自分の都合に合わせて仕事を選ぶ事ができます。
紹介された仕事が働きたい条件でしたらOK、イヤならお断りする。
このような選択肢があります。
でも無期雇用派遣にはこのような選択肢はありません。
派遣会社は、仕事がなくても月収として給与を払わなければなりません。
働かない者に給与を与える程、そんな優しい雇用はどこにも存在しません。
当然、『給与の分は働いてもらいます』という派遣会社の姿勢ですから
「待機」なんて状態がないように仕事を与えてきます。
そこには雇用条件など聞いてもらう余地はない・・・というような主旨が
派遣会社のHPに優しい文章で書かれています。
これは私の憶測ですが・・・。
無期雇用派遣はなかなか派遣社員が見つからない企業などに
行かされるのではないかと思っています。
派遣社員が見つからない・・・というのはいろいろ理由があります。
- 企業側の人間性の問題で派遣が長続きしない
- 勤務地の立地が悪く通いにくい
- 企業側の経営状況が悪く時給が安い
- 仕事がハード過ぎる
こういう派遣が懸念するような職場に、職場を選べない無期雇用派遣は
送られるのだと思っています。
しかし——-。
どうやら現実は私の想像より厳しいようです。
職種はもちろん、希望通りには行かず。
勤務地も当然選べず、都道府県の壁を超えてどこへ行くかわからないそうです。
これが無期雇用派遣のデメリットです。
でも考えてみてください。
一般的にどこかの企業に正社員として雇用されるのは
よほどの能力(技能)がある
前職での職歴が良い
(もしくは)年齢が若い
というような暗黙の了解があります。
厳しい言い方をするなら、
若くもないのに、それまで定職にも就かず(あるいは、定職長続きせず)
で特別有能な能力もない人を雇ってくれる会社など極めて少ない
というところです。
世の中そんなに甘くないんです。
働きたくても働けない新卒の若者だっている時代。
理由あったのか、なかったのかはわかりませんがこれまで定職についていなかった
としたら、生活の安定が保証されるなら仕事なんて選んでられないんじゃないかな
と思います。
今はまだ派遣でもアルバイトでも仕事があるからいいでしょう。
そのような仕事もいつまで働けるか保証はありません。
年齢を重ねれば重ねる程働く場所はなくなります。
お金がない生活程ツライものはありませんし、お金がない人こそ
働かずして大金をさせぐような‘何か’を探そうとします。
採用審査があるとはいえ、それを理解して雇用してもらえる
無期雇用派遣は、不安定な生活を変えるチャンスかなと思いますよ。
無期雇用派遣のまとめ
無期雇用派遣という新しい働き方のことは理解できましたか?
最後に、働き方の比較を一覧にまとめてみます。
登録型派遣 無期雇用派遣 契約社員 正社員
勤務条件
自分に合わせて
選べる 選べない 選べない 選べない
どうしても合わない場合は上司などに相談し移動願いもある
雇用期間
最大3年 なし
ただし、契約満了があるような仕事ならば満了時に勤務先企業が変わることも。 契約期間あり
ただし企業側が採用
継続と判断すれば
何回でも契約更新されるので実質期限ない なし
交通費
基本的になし 交通費支給あり 交通費支給あり 交通費支給あり
給与
時給制
基本的に月払い 月給制 月給制 月給制
賞与
なし 派遣会社により
有無の差がある ある ある
昇給
なし なし 契約交渉 あり
無期雇用派遣の求人案件というのは各派遣会社毎に存在しています。
各派遣毎に呼び名が違ったり、条件などが違いますので
必ず派遣会社の説明を聞いてください。
無期雇用派遣が本格的に施行されたのは2018年4月です。
まだ課題の多い新しい働き方で、施行してみて見えてきた
マイナスな面などを改善している会社も増えてきているようです。
これまで調べた感じですと、働くママには無期雇用派遣が不向きな
ような気がしますが、そうとはいえ、月給が安定するって
やはり生活の安定につながると思いますので、気になる方は
派遣会社に聞いてみてくださいね。